レースがある日の食事には、特別な配慮が必要です。このイベントに先立つ数週間から数ヶ月、ハードなトレーニングを行ってきたのですから、あなたの力を存分に引き出せるよう食事にも気をつけてください。

 

 

 

 

ケース別の気を付けるべきいくつかのポイント……

1.   5 kmまたは10 kmのレースに出場

 

数日前から

このタイプのレースは通常なら1時間以内で走りきれるものですから、体内に貯蔵されたエネルギーだけで必要量は十分に足りています。レースの数日前からバランスの良い食事を摂っていれば、それ以外に何か特別なことを計画する必要はありません。

 

レース前日

十分な量の炭水化物を含む、バランスのよい食事を摂ってください。重要なのは、普段食べ慣れている、消化のよいものを食べることです。

 

レース当日の朝

このタイプのレースでは体内の炭水化物を主な燃料として消費します。体内にグリコーゲンを貯蔵するため、朝食では炭水化物をたっぷり摂ってください。前夜の睡眠中に肝臓に貯蔵されたグリコーゲンが減っています。ですから、昼食では、ウォーミングアップとレースの間、血中の炭水化物レベルを維持できるよう、炭水化物を摂ってください。身体に不調を来たさないよう、トレーニング中に食べていて調子が良かったものを摂ればよいです。レース当日には、絶対に何か新しい食事や新しいルーチンを試そうなどと考えてはいけないのだと覚えておいてください。消化のよいものを食べ、スタートラインに立った時に喉の渇きを感じないですむよう、水分補給もしておきましょう。

 

レース中

このレース中は、炭水化物を追加で摂取する必要はありません。普段、全体の食事がバランスの取れたものであり、レース前に十分な量の食事を摂っていれば、あなたはレースを走りきるために必要なエネルギーを体内に蓄えています。

 

レース後

レース後の回復は、とくに、これがシーズン最後のレースではなく、数日後にはトレーニングを再開するのであれば、疎かにしてはいけない重要なポイントのひとつです。レース後、十分な量の炭水化物と少量のたんぱく質を補うための間食をして、渇きに応じて、十分な水分補給を行いましょう。

2.   ハーフマラソンまたはフルマラソンに出場

 

数日前から

通常このタイプのレースは数時間かけて走るものなので、食事計画を立てておくことが重要です。ですから、レースの数日前からは筋肉にグリコーゲンをチャージしておくために、食事の中の炭水化物を増やしておきましょう。マラソンを走るランナーは、スタートの36~48時間前から体重1 kgあたり10~12 gの炭水化物を中心に摂るようにしましょう。グリコーゲンの貯蔵には一定量の水分が必要となるので、十分に水分補給することが重要です。

 

レース当日の朝

朝食には消化が良く、炭水化物が豊富なものを摂りましょう。レースの数日前から筋肉にグリコーゲンをチャージするよう気をつけていたとしても、前夜の睡眠中に肝臓内のグリコーゲンが減っています。ですから、朝食で炭水化物を摂取してこの貯蔵量を回復させ、スタートラインに立つ準備を整えましょう。昼食はスタートの2~3時間前にしましょう。食べ慣れた、消化のよいものを摂ってください。

 

レース中

ハーフマラソンを走るハイレベルなアスリートは、通常このレースを90分以内で走るため、レース中にアンスイカ物を摂取する必要はありません。ただし、ハーフマラソンのタイムが90分を超えるランナーや、フルマラソンを走るランナーの場合、レース中に外部から炭水化物を補給することが重要です。1時間あたり30~60 gの炭水化物を摂る予定を立てておきましょう。エネルギーレベルを一定に保ち、グリコーゲンを十分に貯蔵しておくため、走り始めてから早いうちに少量の炭水化物を摂るとよいでしょう。レース中に飲む水分量は、気候条件、発汗レベル、個人の耐性など複数の要因によって様々に異なります。飲みすぎず、同時に喉の渇きを癒せるようにしましょう。

 

レース後

レース後、すぐに回復したい場合は、レース後30分以内に炭水化物と少量のたんぱく質を含む間食を摂りましょう。炭水化物は甘いものよりも、どちらかというと塩味のものにしましょう。レース中に甘みの強いジェルや飲み物を摂った場合は、塩味のほうが食べやすいことでしょう。喉の渇きを十分に癒せるだけの水分補給をしましょう。ですが、ひとつご注意ください。レース中に体重が増えていた場合は、水分を摂りすぎたことになります。ですから、液体状のものより、固体の食品を優先してください。

1日を超えるレースで気を付けるべきポイント

 

計画が適切なものでなければ、1日を超えるレースでの食事は頭の痛い問題になり、レースを走り切るために身体を酷使することになりかねません。ちょっとしたディテールの管理が悪く、十分な配慮ができなければ、あなたのパフォーマンス、とくにレース後の回復プロセスに悪影響を与えてしまいます。


レース中の食事の管理は、壁に突き当たり、回復プロセスが遅れるのを避けるためには重要なことです。ゴール後の食事の選択も、次のトレーニングに備えてすばやく回復するために非常に重要です。ゴール時には、空腹を感じていないかもしれません。ですが、たっぷりの炭水化物と良質なたんぱく質をすぐに摂取しておくことは、しっかり回復するために重要なのです。ここでは、貯蔵されるグリコーゲンの再生成を最大化することが目的です。レース直後の食事を楽に行えるよう、炭水化物は液体状になったものを優先的に摂り、甘いものより塩味のものを摂ってください。レース後15分以内に炭水化物を摂り始めましょう。遅くとも、その日のレース後30分を過ぎてはいけません。その後は次に十分な食事を摂るまでの間、1時間ごとに体重1 kgあたり1~1.2 gの炭水化物を摂ってください。レース後に良質のたんぱく質を摂る事も重要だと分かっています。理想的なのは、レース後30分以内に炭水化物と同時に摂ることです。レース後の間食として20 gのたんぱく質を摂っておくと、回復が早まります。その後の食事でも十分な量のたんぱく質を摂ってください。